「きつく目を閉じて堪えたのは内緒」 まろるさん


誰か私を助けて。
誰か私をここから逃して。

今目の前にあるのは何なのだろう。
楽しそうに話す2人。
青とピンクは相反する色に見えるのに、
とても和やかで楽しそう。
醸し出す雰囲気がやわらかい。
どちらも私の知り合いで、私とも楽しそうに話をしてくれる。

でも私と話してる雰囲気が明らかに違う。
伝わってくる温度が違う。


私も好きなの。
アリスも好きだし、ボリスも好き。
好きにも種類があるのよ。
アリスからもボリスからももらえる好きは同種のもの。
でもね、私があげたい好きはアリスとボリスでは違うの。
なのにこうもまざまざと見せ付けられると・・・。


「どうしたのよ、
「そうだぜー。さっきから黙っちゃってさ。」


心配そうにこちらを見てくる二人。
ああ、心配させたいわけじゃないのに。
こんなこと考えてちゃいけない。
悟らせてはいけない。

静かに目を閉じて、次には笑顔を。


「なんでもないの。
 二人の会話を聞いてるのが面白かっただけだから。」


どうか、気づかないで。
そして、私はもう見ているのがつらいの。
だれか、私をつれだして。
自分からはここを離れられない。
笑顔を保っているのが精一杯。


遊園地の片隅で楽しく話す私たちがいる。
たぶん、誰もわからない。
私が今目を瞑り耳をふさぎここから逃げ出したいだなんて。
他から見れば楽しそうなおしゃべりに見えてるはずだ。
だからだれもここから連れ出してはくれない。